とりあえず置いた物たちが常駐するリビング兼ダイニング。ずっと片づけたかった場所でした/Before
とりあえず置いた物たちが常駐するリビング兼ダイニング。ずっと片づけたかった場所でした/Before

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.12 自分が変わったら相手も変わった
(夫+子ども4人/保育関係)

「人生をコントロールできていない感じがする」というのは、家庭力アッププロジェクトに参加する女性たちが、よく口にする言葉です。片づけが苦手だったり、疲れていたり、それぞれの事情で部屋が散らかっているとき、心の中は外の事柄であふれ、自分のスペースがなくなっているからです。

 彼女たちは家族にエネルギーを費やし、仕事では誰かのために全力を尽くします。だからこそ、結婚や育休、親の介護など転換期や人間関係に行き詰まったとき、家と自分とじっくり向き合いたいと考えるのです。

 片づかないのを忙しさや誰かのせいにして苦しみながら、「私が変わらないといけないのかも」と感づいて、諦めなかった人たちなんです。45日間はまさに人生のお片づけプロジェクトでもあります。

 今回ご紹介する女性も「ゆっくり腰かけて日記を書く余裕もないまま、ここまで来ちゃいました」と言う忙しいお母さん。4人の子どもと夫と暮らし、保育関係の仕事についている女性です。

 もともとは整理整頓が得意でしたが、プロジェクトに参加した当時は、部屋を片づけるパワーを失っていました。穏やかそうな印象からは想像できないほどの重荷を抱えていたからです。

 彼女はたびたび大声で怒鳴る夫との間に、わかり合えなさを抱えていました。加えて義母は、長年にわたり彼女をののしり続けていたと言います。夫はそれに気づきながら、かばってくれることはなかったそうです。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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離婚のために片づけたのに、離婚には至らなかった