安浪京子先生と、いずれも子どもの中学受験を経験した3人の担当編集者によるオンラインセミナーが開かれた。AERA 2021年11月8日号は、受験を目前に控える6年生へのアドバイスを紹介する。

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──オンラインセミナーの参加者から6年生の今の時期の悩みを集めると、「勉強」「志望校」「塾」「メンタル」のほぼ四つに分類できました。まずは勉強の悩みにどう向き合えばいいのでしょう。


「模試の判定が悪い」「塾のクラスが落ちた」という悩みはこの時期でもあります。私たち指導者からすると、もはや全員が受ける模試の判定は気にしていないのですが、親はこの時期の模試の結果が悪いと「志望校を変えたほうがいいのだろうか」と悩んだりしがちです。


 しかし、今大事なのは模試の判定より過去問を取れるようにすること。優先順位を間違わないようにしましょう。


 模試よりクラスにこだわる子どもも、この時期はまだ多いです。そのようなときは「この時期にいちばん大切なことは何か」を改めて話し、あくまで志望校の合格が目的であることを伝えます。それほど、まだ子どもにとって入試が現実味を帯びていないのです。


 その他にも、勉強しない、取りかかりが遅い、といった悩みも依然としてありますが、学校行事も重なるこの時期は子どもも疲れがたまっています。そのような時に親がさらにむち打つような言動をすると、子どもは塾に行かなくなります。さらに気力が低下して学校にも行けなくなります。そして入試本番、布団から出られなくなることも。この時期、やみくもに追い込むのは要注意です。


■塾の拘束時間が長い


──塾へは今まで通り通っていいのかという悩みもあります。


 秋以降、塾では志望校別の特訓講座が始まります。最難関校の学校名がついたいわゆる「冠特訓」のほか、「難関校男子」「難関校女子」のように、あらゆる志望校の子を詰め込んだ講座など、さまざまあります。

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AERA編集部
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