※写真はイメージです(GettyImages)
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 アレルギー症状は、明確に原因がわかるものから、わかりにくいものまでさまざまな種類がある。中でも厄介なのは、「じんましん」だという。AERA 2021年10月18日号は、アレルギーの症状例や最新の治療法などを専門家が解説する。

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 食物摂取以外に、アレルゲン(抗原)を吸い込む、触れるなどでもアレルギー症状は起こる。蕁麻疹(じんましん)や湿疹などの「皮膚のトラブル」もそのひとつだ。皮膚科専門医で日本大学医学部附属板橋病院の葉山惟大医師は言う。

「接触性皮膚炎では、非常に多様なアレルゲンで反応が表れます。一般に分子量が500~600(アトピー性皮膚炎がある場合は1千)以下の物質なら皮膚から体内に入ることが可能なので、それらすべてにアレルギー反応が起きても理論上はおかしくありません」

 ラテックス(ゴム)アレルギーなどが知られるが、抗菌デスクマットや樹脂でできたメガネのつるに反応するケース、「モーラステープ」という湿布薬を貼った痕に光や紫外線を浴びると炎症が起きる「光接触皮膚炎」などの報告もあるという。

■PM2.5で花粉症悪化

 国民病ともいわれる花粉症にも、花粉が皮膚について炎症を起こす「花粉皮膚炎」がある。注意したいのは「PM2.5」との関係だという。

「花粉がPM2.5とくっつくと小さく分解され、より吸収されやすく、舞いやすく、皮膚につきやすくなる。PM2.5の量が比較的多い都市圏の人に花粉症が多い、大きな原因でもあります」

 一方、「接触性皮膚炎」に食物が思わぬ形で関係していることもある。たとえば、金属アレルギーだ。金属が皮膚に接触することで湿疹やかぶれが表れる。

「金属アレルギーを訴える患者に問診していて、『コーヒーが好きですか?』と聞くと、当たる確率が高い。実は、ニッケルはコーヒーや大豆などの豆類、海藻などにも多く含まれている。摂取するのをやめてもらうと、良くなることもあります」

 まさか、金属アレルギーとコーヒーや豆が関連しているとは。症状の理由は、とても素人にはわからなさそうだ。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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