2017年、婚約が内定し、記者会見する眞子さまと小室圭さん。小室さんの母の金銭トラブルをめぐり、結婚に反対する声が上がっている (c)朝日新聞社
2017年、婚約が内定し、記者会見する眞子さまと小室圭さん。小室さんの母の金銭トラブルをめぐり、結婚に反対する声が上がっている (c)朝日新聞社

 眞子さまと婚約が内定している小室圭さんが、結婚準備のため一時帰国する。メディアや国民からは小室さんへのバッシングも続くが、それでいいのだろうか。AERA2021年10月4日号の記事を紹介する。

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 結婚において重要なのは「釣り合い」であると考えられてきた。学歴、年収、家格……。結婚が二人の愛の結果であると同時に、見栄、周囲の納得、親や親戚への説明が重要であったためにほかならない。恋愛は結婚と直結し、その呪縛のために愛情がなくなっても離婚できない夫婦も少なくない。

■マッチングアプリ婚

 今の若者の恋愛・結婚事情は大幅に変わった。象徴はマッチングアプリ婚だ。もちろん、会う相手を選ぶ際、相手の「スペック」は考慮される。

 だが「スペック」は、単なる指標に過ぎない。例えば、女性から見て、相手男性が高校中退、ニートであっても、自分を包み込んでくれそうだ、今の自分のライフスタイルにマッチしそうだと判断すれば、会って、結ばれることもあり得る。

 重要なのは居心地の良さである。飾らない自分を受け入れてくれれば、ほかの条件は二の次となる。居心地の良さより格や「スペック」を重視しても必ずしも幸せにならないことを、若者たちは感覚的に知っている。

 眞子さま(29)は学習院大学でなくICUを選んだ。そこで偶然に出会った小室圭さん(29)との結婚は、究極のマッチングアプリ婚に見える。全く別の世界に住む眞子さまと小室さんの偶然の出会い。従来の釣り合いセオリー、階層性を完全に無視した結婚に世間は驚き、反発した。

 皇族女性と釣り合いのとれた相手は、旧華族や資産家になるだろう。皇室に生まれた女性はそうやって結婚させられてきた。

■映し鏡として変わる

 明治天皇の娘の一人、聡子(としこ)内親王は1915年、皇族、東久邇宮稔彦(ひがしくにのみやなるひこ)王と結婚した。ところがフランスに留学した夫に7年間放置され、のちには侍女に手を付ける夫に苦しめられた。昭和天皇の娘の一人、和子(かずこ)内親王は1950年、旧華族筆頭・五摂家の鷹司平通(たかつかさとしみち)と結婚し、国民から大祝福を受けた。ところが、鷹司は16年後、愛人だったバーのママのマンションで、彼女と一緒に一酸化炭素中毒で亡くなった。

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