オダギリジョー(おだぎり・じょー、左):1976年2月生まれ。長編映画監督デビュー作「ある船頭の話」(2019年)は、ベネチア国際映画祭で高い評価を得た/麻生久美子(あそう・くみこ)/1978年6月生まれ。95年、映画デビュー。「時効警察」の三日月しずか役でコメディエンヌぶりを発揮(撮影/遠崎智宏)
オダギリジョー(おだぎり・じょー、左):1976年2月生まれ。長編映画監督デビュー作「ある船頭の話」(2019年)は、ベネチア国際映画祭で高い評価を得た/麻生久美子(あそう・くみこ)/1978年6月生まれ。95年、映画デビュー。「時効警察」の三日月しずか役でコメディエンヌぶりを発揮(撮影/遠崎智宏)


 俳優オダギリジョーさんが脚本・演出を手がけた初の連続ドラマが話題だ。ドラマ「時効警察」シリーズのコンビで知られる俳優の麻生久美子さんと語り合った。AERA 2021年9月27日号の記事を紹介する。

【「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」の場面写真はこちら】

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――17日に始まったNHKドラマ10「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(全3回)。オダギリジョーさんがオリジナル脚本で演出に挑戦した。警察犬係の主人公・青葉一平(池松壮亮)が相棒オリバーと難事件に挑む。笑いの要素もたっぷり詰まった予測不能な物語だ。オダギリさんは「どうせやるなら徹底的にやりたい」と、着ぐるみのオリバーにも扮する。麻生さんは一平と同じ警察犬係でおちゃめな先輩・漆原冴子を演じ、コメディエンヌぶりを発揮する。

オダギリ:この企画を考え始めたのは、2019年秋放送の「時効警察はじめました」(朝日系)の撮影後半くらいでした。時効警察の山本喜彦プロデューサーとはプライベートでも仲が良く、「何か面白い作品を作りたいですね」と話していたんです。そんな頃、現場の移動で麻生さんの車に乗せてもらう機会があって。軽く「麻生さんも出る?」と声をかけました。

■私も犬の役をやりたい

麻生:そうです。その時は「犬がおじさんに見える話」と聞いたので、「だったら私も犬役をやりたい!」とお答えしました。でも私、1度クビになったんですよ(笑)。「1回打ち合わせをしよう」と言われたので、プロデューサーとオダギリさんのところへ行ったら、様子がおかしくて。変な空気だし、歯切れの悪い感じで話を進めるから、「まさか私のこと、降ろす気ですか?」って(笑)。

オダギリ:「まぁ正直そういうことなんだよね」って(笑)。

麻生:06年から時効警察シリーズを一緒にやってきたので、「『時効警察』のことを考えると、僕の作品に麻生さんは出ない方がいいと思う」と聞かされて。「それなら今回は諦めます」と引き下がりました(笑)。

オダギリ:でも山本プロデューサーに、台本も麻生さんに当てて書いてるのに、違う人で本当にいいんですか?とか言われて(笑)。そりゃもちろん麻生さんが演じるのが一番面白いに決まってるんだから、麻生さんでいきますかと(笑)。

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