たかまつ・なな/1993年生まれ。「お笑いジャーナリスト」として、社会問題を取材・発信。著書に『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』など(本人提供)
たかまつ・なな/1993年生まれ。「お笑いジャーナリスト」として、社会問題を取材・発信。著書に『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』など(本人提供)
子どものための主な相談窓口(AERA 2021年9月6日号より)
子どものための主な相談窓口(AERA 2021年9月6日号より)

 コロナ禍で子どもの自殺が急増している中、時事YouTuber・たかまつななさんは自殺防止の活動に取り組んでいる。自身も生きづらさを感じ自殺を考えた時期もあったという。AERA 2021年9月6日号で心境や対策などを語る

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 生きてほしい。しんどい思いをしている子どもたちに、そう伝えたいです。

 私自身、小学生の時は学校に行きたくなくて、生きづらさも感じていました。小学3年で大阪から横浜に転校すると「大阪人」などといじめられ、空気を読むのが苦手で上級生や教員に正しいと思うことを言うと「生意気だ」と言われました。

 2018年にNHKに入局し、昨年7月に退職しました。その頃「死にたい」と思い自殺をよく考えました。退職について「クビ」などと事実無根の話がネットに上げられるなど、様々なことの積み重ねが要因だったと思います。そんな時「自助グループ」と出会い、息苦しさを感じているのは私だけではないと実感でき、楽になっていきました。

 子どもの自殺をなくしたいと、YouTubeなどで自殺防止の活動にも力を入れています。あなたが亡くなって喜ぶ人はいません。いじめられて自殺をすれば、親や友だちが悲しむのはもちろんですし、あなたが亡くなって救われる人などいません。だから、生きてほしいのです。

 そのためにも、この人だったら悩みを話せるという人を見つけてください。信頼できる人に話をするだけで、楽になります。助けてくれる人はいるのでたくさんアタックしてほしいと思います。

 それに現実逃避も大事です。学校に行きたくなければ行かなくてもいいし、私もそうでしたが、映画を見たり本を読んだり、自然の中で思い切り体を動かすのもいいと思います。世界が広がり、生きていてよかったと思える瞬間が絶対にあります。

AERA 2021年9月6日号