車いすテニスの上地結衣は昨年の全豪女子シングルスで優勝。今大会も頂点を狙う。「これまでの成果を思い切り出せる大会にしたい」(c)朝日新聞社
車いすテニスの上地結衣は昨年の全豪女子シングルスで優勝。今大会も頂点を狙う。「これまでの成果を思い切り出せる大会にしたい」(c)朝日新聞社
水泳の木村敬一は視覚障害クラスに出場する。メダル4個を獲得した前回大会後、米国に拠点を移し、悲願の金メダルを目指してきた(c)朝日新聞社
水泳の木村敬一は視覚障害クラスに出場する。メダル4個を獲得した前回大会後、米国に拠点を移し、悲願の金メダルを目指してきた(c)朝日新聞社

 8月24日に開幕の東京パラリンピックに、日本選手は史上最多の254人が参加する。前回のリオデジャネイロ大会は金メダルなしに終わった。どれだけ飛躍するのかに注目だ。AERA 2021年8月30日号から。

【写真】メダルラッシュが期待される水泳では木村敬一選手に注目!

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 陸上は年々競技レベルが上がり、2016年リオデジャネイロ大会では約70の世界新記録が誕生した。そんな中で日本勢の金メダル候補筆頭は、4種目で世界記録を持つ佐藤友祈(ともき、31)だ。車いすの男子T52クラスで400メートルと1500メートルに出場。握力が弱いためゆっくりとスタートするが、高い集中力で終盤に加速する。

 同クラスでは佐藤のほか、400メートルで08年北京大会金メダル、12年ロンドン大会銀メダルの伊藤智也(58)、マラソンで北京大会銀メダルの上与那原(うえよなばら)寛和(50)、100メートルで今年7月にアジア記録を更新した大矢勇気(39)と強豪がそろう。

 ひざ上義足のT63クラスでは、山本篤(39)が走り幅跳びで7メートルの大台に意欲を見せる。

 視覚障害のクラスでは、5月に男子5千メートルで世界記録を更新した唐澤剣也(27)もいる。

 陸上女子では視覚障害マラソンのリオ大会銀メダリスト、道下美里(44)の超高速ピッチ走法に注目だ。大勢の伴走ボランティアの協力で月に700キロを走り込み、昨年12月にも自身の世界記録を更新した。ひざ下義足のT64クラスでは走り幅跳びの19年世界選手権金メダリスト、中西麻耶(36)の跳躍が見逃せない。18年平昌冬季大会のアルペンスキーで金を含む5個のメダルを獲得した村岡桃佳(24)は車いすT54クラスの100メートルに加え、障害の異なる男女4人によるユニバーサルリレーに出場する可能性がある。

■王座奪還を狙う国枝

 水泳もメダルラッシュの期待が高い。エースは全盲の木村敬一(30)。19年世界選手権男子100メートルバタフライで優勝し、自己ベストは世界記録に0秒05と迫る。

 知的障害のクラスには2人の世界記録保持者がいる。山口尚秀(20)は足のサイズが30センチ。強いキックを武器に男子100メートル平泳ぎで世界記録更新と金メダルを狙う。東海林大(22)は男子200メートル個人メドレーで頂点を目指す。

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強豪が多いのはバド