夏休みの宿題の定番、読書感想文。後回しにしていてまだ終わっていない!という子どもたちも多いのではないでしょうか。そもそも何をどうやって書いたらいいのかわからず、頭を抱える親子も続出! 『AERA with Kids夏号』では、親子で取り組むときのコツを、花まる学習会で作文指導をする竹谷和先生にうかがいました。

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 読書感想文が書けず、「夏休みの終わりに泣きながら書く」という家庭も多いのでは?

 親子ともに嫌われがちな読書感想文ですが、そもそもなぜ宿題として出されるのでしょうか。「時間のある夏休みは、本を通じて自分の感じたことに向き合う絶好の機会。普段の読書では、感想がただ頭の中に浮かんで終わりになってしまうところを、文に起こすことによって、自分の経験を振り返り、新しい意味づけをすることができます」

 そう話すのは、毎週作文を書く花まる学習会で、のべ千人の子どもに関わってきた竹谷和 先生。読書感想文は学年が上がるにつれ、読み手に伝わる言葉を選んだり、構成を考えたりという視点も加わり、さらに宿題として出される意味が強まります。 「文章を書くことは、考えをまとめること。感じたことを文章にする過程では、考えを深められるだけでなく、別の考えや気づきを得ることもあるでしょう。自分の中で問答を重ねることは、将来社会で活躍できる自立した大人を育てることにつながると思います」。

■コツをつかんで2日で仕上げよう!

 意味のある宿題とはいえ、ハードルの高い読書感想文をスムーズに書く方法はあるのでしょうか。「まず、子どもひとりでは無理だということを理解して、親も一緒に取り組んでほしいですね。とりわけ、低学年の子どもにとっては ハードルがかなり高いものだと思 いますので手助けは必要です」。

 書く順番にとらわれず進めることや、苦手や発達段階に応じて、対応を変えることがコツになります。 「読書感想文は1日2時間、2日間で仕上げることをオススメしています。1日目は、本を読んでメモを書くといった材料をそろえ、 2日目は、下書きと清書をします。 1日で仕上げたい気持ちもわかりますが、急ぎ足になり、子どもの集中力も切れてしまいがちです」。

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高橋亜矢子
高橋亜矢子

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