五輪の舞台に戻ってきた池江璃花子(左)(写真・アフロ)
五輪の舞台に戻ってきた池江璃花子(左)(写真・アフロ)

 東京五輪は7月24日、本格的に競技が始まり、競泳女子400メートルリレー予選に白血病から復帰した池江璃花子(21)が第2泳者として登場。2回目の五輪出場を果たした。

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 リレーでは五十嵐千尋(26)、池江、酒井夏海(20)、大本里佳(24)の順につなぎ、日本記録(3分36秒17)の更新と決勝進出を狙っていた。だが、3分36秒20のタイムで日本記録にも0秒03及ばず、全体の9位に終わって決勝進出を逃した。

 16歳で初出場した2016年リオデジャネイロ五輪から5年が経った。18年のジャカルタ・アジア大会で6冠に輝いて女子初の最優秀選手(MVP)に選ばれるなど、活躍が期待されていた矢先の19年2月、白血病を公表。長期入院し、つらい抗がん剤治療を乗り越え、再びプールに戻ってきた。

 退院からわずか1年8カ月で迎えた東京五輪。池江はレース後のインタビューで、

「リオのときもそうだったけど、入場の瞬間、まわりがキラキラしたように見えて、『あ、この舞台でまた泳げるんだ』とうれしかったし、またこの舞台に戻ってきて、世界の選手と戦えるっていうことは幸せだなと思いました」

 と出場の喜びを語った。

 そして、記者に「つらかった闘病はよぎったか」と聞かれると、
「全くなかった。もう忘れていました、完全に」と笑った。

 池江は今後、最大2種目に出場する予定。混合リレーの出場の有無について、

「まだ何も言われていない。これから選手たちの調子を見て決めると言われているので、もし出るとしてもバタ(バタフライ)か自由形かも決まっていない」

 と話した。

 池江や他のリレーメンバーと報道陣のやり取りは次のとおり。

【池江(第2泳者)】

――会場に入ってきたときの印象は。

 リオのときも入場した瞬間に、決勝のレースで100(メートル)のバタフライで入場したとき思ったのは、まわりを見た瞬間に、こんなにきらきらしている会場は見たことないと思ったんですけど、今回もそれと一緒で、入場した瞬間は観客はいなかったんですけど、ライトのおかげもあってか、まわりがキラキラしたように見えて、「あ、この舞台でまた泳げるんだ」と思いました。それは素直にうれしいなと思ったし、またこの舞台に戻ってきて、世界の選手と戦えるっていうことは、こういう環境の中でも幸せだなと思いました。

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