新型コロナウイルスのワクチン接種後は、15~30分程度接種会場で経過観察することになっている (c)朝日新聞社
新型コロナウイルスのワクチン接種後は、15~30分程度接種会場で経過観察することになっている (c)朝日新聞社
AERA 2021年7月26日号より
AERA 2021年7月26日号より
AERA 2021年7月26日号より
AERA 2021年7月26日号より

 新型コロナウイルスのワクチン接種後に、9割近くが接種部位の痛みを感じ、2回目接種後の半数近くに発熱などの副反応が起きている。どのように対処すればいいのか。AERA 2021年7月26日号から。

【表】接種後9日目以降に起きる副反応の頻度はこちら

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 第5波が現実的になっている今、菅政権が「頼みの綱」にするワクチン接種は、高齢者以外の若い世代でも進みつつある。同時に、ワクチン接種に伴う副反応の報告も増えている。接種部位の痛みは年齢に関係なく起きる。一方、発熱や倦怠感といった全身の副反応は若いほど起きやすい。頻度は低いが、接種後1週間ほど経ってから起こる副反応もある。

 ワクチンは、感染した時と似たような免疫反応を体内で起こして免疫系に新型コロナウイルスの特徴を記憶させることで、実際にウイルスが体内に入ってきた時に素早く免疫反応が起きるように備える。ワクチンの副反応は、体内で起きる免疫反応に伴って生じる。痛みのように接種した部位に局所的に起こるものと、発熱や倦怠感のように、全身に起こるものがある。

 筆者は夫の仕事の都合で滞在していたシンガポールで4~5月にかけ、モデルナ社製ワクチンの接種を受けた。1回目の接種後8日目に接種部位が腫れ、赤みを帯びていった。後述する「COVIDアーム」だ。接種20日後まで続いたが、たまにかゆいだけで痛みは一切無く、腫れている期間中もジムでの腕の筋トレに支障がなかった。

 2回目接種後の副反応では寝込んだ。接種翌日、39度まで発熱し、悪寒や関節痛がひどかった。しかし、接種2日目朝には潮が引くように平熱に戻り、関節痛なども消えた。

■9割が接種部位に痛み

 厚生労働省の研究班が、ワクチンを接種した医療従事者や自衛隊職員約2万9千人の接種4週間後までの健康状態の観察をまとめた調査によると、7月7日現在、先行して接種の始まったファイザー・ビオンテック社製のワクチンでは、1回目も2回目の接種でも、打った人の9割が接種部位に痛みを感じた。また、打った部分が赤くなったり、腫れたり、硬くなったりした人が1割程度いた。痛みなどはほとんどの場合、4~5日以内で解消した。

 モデルナ社製ワクチンの接種は5月に始まったため、厚労省研究班の調査ではモデルナ社製を接種した人は約9300人、うち2回接種が終わった人はまだ約1600人しかおらず、1回目接種後の副反応しかまとめられていない。1回目接種直後の打った部分の痛みの発生頻度はファイザーより若干少なかった一方、赤くなったり腫れたりする頻度は若干多かった。

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