※株価は7月15日(菱友システムズは14日)の終値。いずれも原則100株単位で買う(AERA 2021年7月26日号より)
※株価は7月15日(菱友システムズは14日)の終値。いずれも原則100株単位で買う(AERA 2021年7月26日号より)
AERA 2021年7月26日号より
AERA 2021年7月26日号より

 米アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス会長や、英ヴァージン・グループを率いる実業家サー・リチャード・ブランソン氏らがこの7月、相次いで宇宙飛行に参加。米テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)も宇宙に飛び立つ準備を進めている。こうした名だたる創業家の動きを受けて、海外の株式市場では「宇宙関連銘柄」の注目度が高まっている。一方、日本でも、宇宙関連の事業を手掛ける企業は少なくない。日本の“宇宙銘柄”は今後どうなっていくのか、AERA 2021年7月26日号で取り上げた。

【表の続き】日本にもたくさんある「宇宙関連銘柄」

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 宇宙に関して日本も“蚊帳の外”ではない。

 小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」の成功は世界的にも高く評価されているし、ソフトバンクグループの孫正義氏やホリエモンこと堀江貴文氏ら、宇宙ベンチャーに期待を寄せる実業家も少なくない。

 そして何より、日本の株式市場にも数多くの宇宙関連銘柄が存在している。日本の宇宙プロジェクトに参画している大手企業とともに、一般的にはあまり知られていない企業も名を連ねている。

 ただし、auカブコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏は次のように指摘して注意を促す。

「米国とは違い、宇宙関連ビジネスだけで『飯』を食っている日本企業は、ほぼ皆無でしょう。特に大手企業はもっぱらほかの事業で稼いでおり、宇宙関連事業が株価に及ぼすインパクトは限定的です。小型の関連銘柄(株式の発行規模が小さい企業)なら、何らかの材料(関連ニュース)が飛び出すと、株価が大きく反応するケースも見受けられます」

 実際のところ、日本の宇宙関連銘柄は、ブランソン氏の試験飛行成功のニュースにはあまり反応していない。川崎重工業の株価は例外的に上昇しているが、因果関係は明らかではない。米国でも大手企業ほど反応が鈍かった。やはり事業全体に占める宇宙関連の割合が相対的に低いからだ。代表格のロッキード・マーティンやノースロップ・グラマンは事業規模があまりにも巨大で、軍用機のウェートも大きい。株式市場で宇宙関連が話題を集めても、株価には影響が及ばなかったもようだ。

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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