実はタコは非常に知能が高く、犬並みの知能をもっていると言われています。教えればある程度の芸を覚えて実行することも可能なようです。

 海中にいる野生のタコも、貝殻を道具として持ち歩いて、敵に見つからないように身を隠します。また、瓶のふたを足で器用に開けて中の餌を取り出すことができます。

 なんと、タコは眠っている時に夢をみるとも言われています。

 眠っているタコを観察していると、体の色や形を頻繁に変化させていることがあります。これは、人間が夢を見ている時に眼球を動かすのと同じで、その際になんらかの夢を見ている可能性があるとのことです。

 タコが見る夢ってどんな夢なのか気になりますね。

 このように高い知能をもつタコですが、その寿命はとても短く、通常は1年程度、長くても3年ほどだそうです。先ほどのパウル君も、3歳で天寿を全うしています。

 そしてタコの生殖活動は、一生に一度だけなんです。タコのオスの8本の足のひとつには生殖機能があり、その足を使ってメスの体に精子の入ったカプセルを渡すことで交尾を行います。そして、無事に自分の精子カプセルを渡したオスは、そこで一生を終えるんです。ちょっと切ないですね。

 メスは、その後岩陰や岩穴の中に小さな楕円形の卵を数万個から十数万個産みます。母ダコは産卵後も、自分の産んだ卵の側にずっと寄り添い、足を使って常に新鮮な海水を送り続けたり、外敵から守ったりしています。

 そして卵から小さな新しい命が生まれる頃、母ダコは力尽きて一生を終えるんです。オスもメスも、自分の命と引き換えに、命を次の世代につないでいるということですね。

 こんな話の後では若干気まずいですが、実はタコは、高タンパク&低脂質の食べ物として、体重が気になる方にとっては、非常にありがたい食材なんです。

 カロリーも、くら寿司で販売しているお寿司の中でも、トップクラスに低くなっています。

 薄着になるこれからの季節、カロリーが気になる方には、タコのお寿司はおすすめです。

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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