「車両保険に入るときは、水災・風災による被害も補償の対象になっているタイプを選びましょう。豪雨による浸水や台風被害はもちろん、洪水、高潮による水害も補償されます」(損害保険ジャパン日本興亜/保険金サービス企画部の北野貴嗣さん)

 地震による車の修理にも備えたい場合は、地震の特約をつけることになる。補償を厚くするほど保険料が上がるのは火災保険と同様だ。車両保険に関しては、自分の生活で車がどれくらい必需品になっているかで加入を決めるといいだろう。

Q:水災による車の被害が補償されるのは?

 火災保険の水災補償、風災補償での建物・家財への補償例と車両保険での車体への補償例は基本的に同じだ。

「暴風により近所の看板や屋根瓦が飛んできて、車のガラスにヒビが入った」「強風で車が横転」「木が倒れて車体に傷がついた」「駐車場が地盤の低いところにあり、水没」「豪雨による土砂崩れに車が巻き込まれた」などは問題なく修理費用に関する保険金が下りる。

 車ならではの事例としては、「強風や豪雨により道路が冠水し、車が立ち往生。エンジン本体に水が入って車が停止した」「ドライブ中に雨が強くなり、命の危険を感じたので山の麓に車を止めたまま運転者は避難。その後、車だけ土砂に埋まった」など。

(経済ジャーナリスト・伊藤忍、編集部・中島晶子)

※AERA 2019年11月18日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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