(c)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
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 映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」が公開中だ。度肝を抜く世界基準のアクションとハッピーな笑いで観客を魅了するシリーズ2作目。岡田准一と堤真一が敵対する宿命の二人を演じた。AERA 2021年6月28日号から。

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――南勝久の人気コミック『ザ・ファブル』の実写映画2作目だ。どんな相手も6秒以内に仕留める伝説の殺し屋、ファブルを岡田准一が、因縁の敵、宇津帆を堤真一が演じる。

岡田准一(以下、岡田):堤さんは大好きな先輩でもあり、なぜか大切な節目の作品でご一緒させていただく方でもあるんです。初めてご一緒した「フライ,ダディ,フライ」から「SP」「海賊とよばれた男」もそうですが、今回の「ファブル」は、前作を超えるという個人的なテーマもあったので、堤さんが出演してくださって、すごくうれしかったです。

■チャレンジするときに

堤真一(以下、堤):僕、アクション作品は最近あまりやってないんです。もう年だし体も動かない。トレーニングもしんどいし(笑)。でも、この脚本を読んだら、僕に関してはアクションが少なかったのと、もう一つ、ここまで「悪」に振り切った役はこれまで経験がなかったんですよね。それで、初めてのチャレンジをするときに、主演が岡田くんというのは心強いな、と。僕が多少ヘタこいても岡田くんが一緒なら大丈夫だろうと(笑)。

岡田:アハハ!

堤:アクションでも盛り上げてくれるだろうから、甘えられるなと思って。

――ファブルはボスから「一年間、誰も殺すな。一般人として普通に生きろ」という厳命を受け、休業中の身だ。「普通」を追求する日々のなかで、かつて自分が救えなかった車いすの少女・ヒナコ(平手友梨奈)と再会する。ヒナコはとんでもない極悪な裏の顔を持つ慈善事業NPO団体の代表、宇津帆と暮らしていた。ファブル、ヒナコ、宇津帆、それぞれの過去にケジメをつける闘いが物語の主軸となる。

岡田:ファブル自体はちょっとズレた面白さを重ねていく役柄なので、物語を動かす敵役が大切だと思います。原作の宇津帆はかなり気持ち悪くて、役者としてはやりがいがある役柄だと思いますし、堤さんがどう演じられるのかなと楽しみでした。

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