ドーンと並んだ3カ月分の薬、2万280円をカード払い。便秘用の酸化マグネシウム錠とともに、ミヤBMやレベニンS、モサプリドなどサブ的な薬も。これを最後に次の病院を探すべく、宛先なしの紹介状ももらってきた(撮影/伊藤忍)
ドーンと並んだ3カ月分の薬、2万280円をカード払い。便秘用の酸化マグネシウム錠とともに、ミヤBMやレベニンS、モサプリドなどサブ的な薬も。これを最後に次の病院を探すべく、宛先なしの紹介状ももらってきた(撮影/伊藤忍)
大腸内視鏡検査の間は点滴。検査中、腸内に小さなポリープが発見され、その場で切除。ちなみに検査代と切除代で、保険適用でも1万8570円(撮影/伊藤忍)
大腸内視鏡検査の間は点滴。検査中、腸内に小さなポリープが発見され、その場で切除。ちなみに検査代と切除代で、保険適用でも1万8570円(撮影/伊藤忍)

 20年以上長きにわたり、便秘に悩まされてきたアエラ編集部員。AERA 2021年6月14日号では、専門外来をハシゴした記録を紹介する。

【写真】大腸内視鏡検査の間は点滴

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 20代で便秘になって以来、市販薬でしのいできたというアエラ編集部員。箱に書いてある規定量では出なくなり、少しずつ量は増え……23年経ち、1日10錠飲まないと出ない腸になっていた。その話を聞いたとき、「今すぐ便秘外来へ! せっかくだから、いつか腸活企画でルポを」と筆者は進言。2年前の話だ。便秘外来では、目に見えない病気がないかを診察した後、薬を処方しつつ食生活のアドバイスも行う。

 2019年11月19日。血液検査の結果、「目に見えない病気」は無く至って健康だった。腸内の水分不足を解消する「酸化マグネシウム錠」と、便秘で吹き出物もひどかったので「ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒」を処方される。病院の薬と市販の薬の大きな違いは、便秘外来では「習慣性のある薬」はなるべく処方しない点にある。自力で排便することを目指すからだ。

 2カ月後の20年1月21日、薬が4種類に増加。食生活指導も。

「毎日のヨーグルト。オリゴ糖。玄米、ゴボウ、海藻、納豆。ひたすら続けるように言われた」

 普通の人が実践したら、トイレから離れられなくなりそうなほど腸活フードを食べまくり、薬も毎日欠かさず飲んだ。それでも「週に1回しか出ない」。

 10月6日。総合病院に約1年通ったわけだが「ここまで」と思い、次に地元の肛門科・胃腸科専門の病院へ。これまで処方されていた薬に2種類が追加されて全6種類に。同時に大腸内視鏡検査を勧められる。

 11月13日、生まれて初めての大腸内視鏡検査。いざカメラが入ると、腸が狭すぎて、長すぎて、レンズが腸の最後まで到達できなかったという。医師がカメラを動かしつつ、看護師が2人がかりで体の向きを変え、どうにかカメラが通らないかがんばってくれたらしいが……あまりの痛みに涙が出たらしい。

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