占い師、作家 しいたけ.
※写真はイメージ(gettyimages)
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:休みの日に職場の人に会うのが苦手です。基本的に仕事が終わったら会いたくないです。食事に誘われても適当な理由で断ることも多いです。職場の近くでご飯を食べるのも、誰かに会うんじゃと不安です。自意識過剰なこともわかってますが、こんなんじゃこの先誰かと過ごすなんて到底無理な気がします。どうしたらもっと自由になれますか?(女性/看護師/31歳/やぎ座)
A:これ、僕もなんです。いわゆる仕事モードのときの自分の感度、いろんなことに気づくとかテキパキ動くとか、それが100だとしたら、プライベートは2ぐらいまで下がってしまう。特にやぎ座はその傾向があります。まるでポンコツになって、話せない・気づけない・動けない。感度が落ちまくるんですよね。
やぎ座以外でも仕事モードが100の人は、プライベートとすみ分けをしたいという感じはきっとあると思います。相手はいつも接している100の自分しか知らないのに、プライベートでは気づけない・動けないダメダメモードな自分になっているから、そこで会ってしまうと自分も相手も「えっ」て動揺しちゃう。
そういう人は、仕事においてどこかアンパンマン的な特性がある人たちだと思います。アンパンマンが顔をちぎってみんなに分け与えるように、自分の何かを削ってサービスを提供しているみたいな自己犠牲癖がある人たち。いい仕事をしますが、疲れてもいます。
あなたもきっと、職場ではすごくみんなから必要とされていて、あなたがいると雰囲気が変わったり、緊急事態にも対応できたりする素晴らしい人だと思うんです。
ただ、自己犠牲モードを続けることで、プライベートにおいてどうリラックスしていいかわからなくなってしまうんですね。
それでこれはいろんな人に勧めているんですけど、出かけられるようになったらでいいので、「独自の街づくり」をしている街に行ってみてほしいんです。
僕自身も体験したことがありますが、そういうところに行くと自分の速度を緩めることができます。戦闘モードじゃない自分でも、緩やかに過ごすことができる。
100のモードを60から70に落とせる第2、第3のふるさとをぜひ作ってください。
趣味にしても、100の姿勢で臨むと長続きしないような気がします。やぎ座はオンの時間で使い切っちゃうから、休日は本当に腰が重いです。
SNSなどで周りを見渡すとプロが多すぎるから、例えばキャンプでも、手作りの料理をおしゃれな食器で食べなきゃと思いがち。でも、カップラーメンでいいかな、と60点から始めてみて、楽しかったらまた次に続ければいいんです。
しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2021年6月14日号