「何を基準にしているのかさっぱりわからないので、何で高くなったのか、低くなったのか、わからないです」(埼玉の男性)

 他にもSNSでは、<安い時もあれば高い時もある><水準の引き下げだ><配達員の報酬引き下げがヤバい!>など配達員から様々な声が上がっている。

 一体、ウーバーの報酬体系はどうなっているのか。

 ウーバーイーツユニオンが作成したウーバーの新旧の報酬を比較した料金表によると、旧報酬体系の基本料金は、(1)受取料金、(2)受渡料金、(3)距離料金──この三つの合計で決まった。これに「10%」の手数料が引かれ、基本報酬となった。

 計算式は、

「(受取料金+受渡料金+距離料金)×0.9」

 これに雨の日や休日、注文の多いピーク時などには「インセンティブ」と呼ばれる追加報酬が加算された。

 基本料金はエリアによって異なり、例えば東京だと受取料金は265円、受渡料金は125円、距離料金はキロあたり60円。つまり、1キロ配達したとすると基本報酬は、

「(265+125+60)×0.9=405円」

■内訳は明示されない

 この内訳はすべてスマホで明示された。ところが改定後、基本料金は「ベース料金」と呼ばれるようになって、内訳は明示されなくなった。ウーバーによると、「店への移動を含む、配達にかかる合計時間と距離、オフピーク時間帯やピーク時間帯などの複合要因をAIにより配送料に適切に反映させている」という。

 さらに今回、「配達調整金額」という項目が新たに加わった。その名の通り配達によって加算される報酬だが、多くの配達員から「悪名高い」と呼ばれる。ベース料金と同様、明確な基準はないのだ。ウーバーの説明では、「通常の目安よりも交通状況が混雑している場合」などに加算されるとあるが、それ以外は不明だ。

「新報酬体系は完全なブラックボックスです」

 と指摘するのは、ウーバーイーツユニオン執行委員長の土屋俊明さん(44)だ。

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