「事情聴取は午前10時から昼食をはさんで午後6時までびっしり行われています。目的はフランスで裁判を開くかどうかを決める証拠集めのため、ゴーン氏が今回の取り調べで逮捕されることはありません。そのため非常に協力的で、判事を前に自らの主張を繰り広げています」(同)

■アピールに余念がない

 ゴーン被告は東京地検から出入国管理法違反容疑で逮捕状がでているが、レバノンと日本との間に犯罪人引き渡し条約がなく、レバノンには自国民の外国への引き渡しを禁じる法律があるため、レバノンに滞在する限りは逮捕されない可能性が高い。

 レバノンに多くの資産を持つゴーン被告は、経済的困窮が続く同国で裕福な生活を続けているとされる。今年3月から5月にかけては、富裕層に向けて参加費2万ドル(約220万円)の特別講義を開催し、日産を立て直した成功談を話すなど、「自らのアピールに余念がない」(ゴーン被告の知人)という。(ジャーナリスト・桐島瞬)

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