感染が収まっていない状況で、これほどの大人数が集まる会場で接種すれば、感染が広がるリスクがあります。

■個別接種や近隣の集団接種
　
　さらに、梅雨の期間中は足元が悪くなりますし、夏に向けては熱中症も心配です。

　東京・大手町の大規模接種センターでは、埼玉県や千葉県、神奈川県在住の方も接種できるそうですが、暑い中、電車に乗ってはるばる大手町まで出かけていくのはリスクを伴います。
　
　私は、高齢者の方は、お住まいの近くの集団接種会場、もしくはかかりつけのクリニックでの個別接種の方がよいと考えています。特に複数の持病を抱えている方は、いつも診てもらっている医師に接種してもらうほうが安心ではないでしょうか。かかりつけ医なら、どんな薬を服用しているのかもわかりますし、顔色をみて、今日は調子がいいかどうかも判断がつきます。かかりつけ医なら予診に時間がかかりませんので、むしろ効率的だと考えます。

（構成／科学ジャーナリスト・大岩ゆり）

※AERAオンライン限定記事