松本まりか 「心から笑ったことがなかった」20年を経て「今がすごく変わるとき」 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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松本まりか 「心から笑ったことがなかった」20年を経て「今がすごく変わるとき」

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俳優 松本まりか(写真:WOWOW提供)

俳優 松本まりか(写真:WOWOW提供)

 あざとかわいいイメージを裏切る怪演ぶりが話題だ。松本まりかの中には、演じることと生きることへの渇望が渦巻いている。AERA 2021年5月17日号から。

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——5月14日から始まる主演ドラマ「WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て」で演じるのは、ある殺人事件の被疑者・池松律子。彼女の人生にかかわる6人の男性との過去を通して、夜叉のような女、娼婦のような女、嘘つきな女、柔らかな女と、律子の持つさまざまな顔を浮き彫りにする。

松本まりか(以下、松本):演技を続けてきたのは、まさにこういう役をやりたかったからです。律子の心の奥底には、想像を絶する悲しみがあるのですが、台本を読んだ時はしばらく考えることを拒否したくなるような、逃げ出したくなるような気持ちになりました。自分を無にして、現場で受け取る相手役の男性たちを信じて挑みました。現場を信じた作品でした。

■器用ではないから

——律子のように、複雑なキャラクターを演じ分けなければならない場合、役と自分自身との切り替えに難しさを感じたという。

松本:撮影中は役と同化している感じがあるので、役を引きずっているような感覚はあります。どの役でもそうですが、自分と演じる役は全然違う人間なので、撮影前から役の雰囲気に近くなりますね。私は器用ではないので、明るいテンションから、急に律子のような人間にはなれませんでした。現場では挨拶したいのにできなかったですし、態度はすごく悪かったと思います。

——15歳でデビューし、2018年のドラマ「ホリデイラブ」の不倫妻役で脚光を浴びるまでおよそ20年。その後も幽霊や悪女といった奇天烈な役柄で怪演女優の異名を取ったのは、確かな演技力があればこそだ。

松本:役者は現場ですごく成長します。私にはその場所がなかったから、成長する場所を作らなければなりませんでした。ワークショップへ通ったり、演技やダンスのレッスンに通ったり。でも、いくらレッスンを積んでも、誰が見ているわけではないし、対価もありません。そんなことを繰り返し20年間やってきて、根性だけはつきました。


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