でも今話題になったから認識する。これ、当たり前のことのようですが、実は恐ろしい事実でもあるんです。

 というのも、自分の前には2千個もの情報がきているのに、脳が勝手に「いる情報」「いらない情報」を選別してしまっているんです。もしかしたら、「いらない情報」に入ってしまったものの中で今の自分が本当に欲しい情報、なりたい自分になるための情報があったかもしれない。でも脳が指令を出さないとそれを取ることができない。

「カラーバス効果」という言葉って知っていますか?

 例えば、「赤いもの」を探しているときは目の前にある「青いもの」は目に入りづらくなる、という現象のことです。逆に「青いもの」を探しているときは「赤いもの」は目に入りづらい。

 このように、自分の身の回りの情報の取捨選択は簡単に自分自身の脳によって操作されてしまう、ということなんです。「思い込み」もそうですね。人間は自分が正しいと思っていることがもっとも重要な情報と判断するので、それを裏付ける情報しか受け取らなくなっちゃうんです。

 例えば、「うちの子はこうだから」「男の子だから」「女の子だから」という特定の思い込みを持っていると、そうでないことを子どもが言ったりやったりしていても、親はその情報をキャッチすることができない。これってすごく残念じゃないですか?

 親の思い込みによって、子どもが本来もっているいいものを察知できなくなっていたりする可能性もあるのです。

■脳を味方につけないと子育ては攻略できない

 これは自分自身でもそうです。

「私は周りから嫌われる人」と思っていると、脳はその情報が正しいと判断し、「よし、この人は自分が嫌われていると思っているらしいから、どんどん嫌われている情報をチョイスしよう」となる。すると、本当は周囲からいいことも言ってもらっているのに、周りからの悪口しか耳に入ってこなくなる。

「私ってイライラしやすい人」って思っていると、脳は「この人はイライラする人です」と判断し、イライラしたくなることばかりが目につくようになる。この状況を変えるためには、脳が受け取る情報を変えないといけない。

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