1年時から専門分野の指導を受けられ、小・中学の教員免許が両方取得できるようカリキュラムで保証される特色がある。昨年6月2日には、多くの大学がオンライン授業を継続する中、対面授業を再開した。教育実習も実施。こうしたことが志願者の増加に影響したという。太田耕人学長は言う。

「教員養成課程では実習や実験がとても多く、動画で学んだだけで子どもの前に立つのは厳しい。オンラインのみの授業を懸念する受験生の保護者からの問い合わせもたくさんあり、コロナ禍にもかかわらず他県からの受験生が増えたので、対面授業を希望する受験生が多かったのではないかと考えています」

 志願者数1841人で前年比102%の関西学院大教育学部も受験生のニーズをうまく捉えたようだ。

■小学英語必修も背景に

 今年度、中学・高校の英語教員免許の取得や、小・中学の教員免許の両方を取得可能な新カリキュラムを始めた。これまでも他学部の授業履修を通して英語教員免許は取れたが、山本健治学部長は学部内でさらに英語教育を充実させたいと話す。

「2020年度から小学校でも英語教育が必修になりましたが、英語を教えられる教員は不足しています。次世代の子どもたちに英語を教えるには、教える側も英語の知識や技能を備えていなければなりません。『英語の関学』の強みを生かしてさらに英語の授業を充実させ、初等英語教育の授業も開講しました」

 昨年度の教員・保育士の就職決定率は100%。昨年卒業した352人のうち教員、保育士は約5割で、残りが企業に就職したり公務員になったりした。

「コロナの影響もあって安定志向が強まり、学部内の教員志望の学生も増えていると感じています。教育学部開設以来、教員や保育士をめざす学生を対象に実施している独自の課外講座『未来塾』などで支援していきたいです」

(編集部・深澤友紀)

AERA 2021年5月17日号より抜粋