「専門科目は比較的自由に履修できます。いろんな学年の学生が一緒に受けている授業が多いのも特徴です。ある学年で留学して、『もっと日本の文化や社会を学び直さなきゃ』と痛感して帰ってきた学生にも門戸を開いておく。国際日本学部らしいところだと思います」

 就職先は様々だが、国際的な業務に携わる卒業生が多いという。

 海外で活躍できる人材の育成をめざす駒澤大グローバル・メディア・スタディーズ学部(06年設置)も、志願者数が前年比131%と増えた。

 各務(かがみ)洋子学長は人気の理由をこう分析する。

「コロナで変わったのは、『オンラインを使いこなせないと、もう生きていけない』と実感したこと。情報分野も深く学べる点が必要とされたのでは」

■英語のほかに8分野

 力を入れるのは英語のほか、経済、経営、法律、政治、情報、社会学、コミュニケーション学、文化学の8分野だ。

「一つの学問分野だけではなく、複数の学問分野を横断的に学び、地球規模の問題を解決する学生を育てたい」(各務学長)

 歴史のある旧帝大にも新興学部が登場している。中でも特徴的なのが九州大共創学部(18年設置)だ。学部名からは何を学べるかイメージしにくいが、河合塾によると前年比114%の志願者を集めた。鏑木(かぶらぎ)政彦学部長が説明する。

「これからの世界の変化や複雑な課題に対応するために、法学や化学など一つの分野に限定するのではなく、多層的なアプローチを組み合わせて、解決策を作っていく。それが教育の主眼であり、『共創』の意味です」

 留学が必須で1年時から英語に力を入れるほか、学位取得に向けて2年時末から学生が自ら動き始めるのが特徴だ。

「教員に『こんな研究をしたい』とコンタクトを取り、主体的に動く。『決まったレール』はなく、どう学べばいいかを自分で考え道を切り開いていきます。旧帝大でこのような学部は他にありません」(鏑木学部長)

■文学部と比べて多方面

 学部初の4年生の進路は3、4割が大学院志望で、就職も業種は多様になりそうだという。

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