■1試合2盗塁の俊足

 4月だけで、昨年の7本を超える8本塁打。その8本中6本が初球か2球目に仕留めている。力強いスイングから130メートルを超える特大アーチを連発する姿はまさにスラッガーだ。コンディションの良さは走塁にも表れている。5月2日のマリナーズ戦では一回、二盗、三盗に成功して自身初の1試合2盗塁を記録した。

 投手としても手応えをつかんでいる。今季3試合目の登板となった4月26日のレンジャーズ戦で「2番・投手」で先発出場すると、5回3安打9奪三振4失点で1072日ぶりの白星。一回に4点を失ったが、二~五回は無失点で切り抜けた。本塁打数トップの選手が先発登板するのは、1921年6月13日のタイガース戦で先発したベーブ・ルース以来100年ぶり。さらにア・リーグの投手で2安打3得点を記録するのは50年ぶりと歴史的快挙を打ち立てた。(ライター・牧忠則)

※AERA 2021年5月17日号より抜粋