中学受験を考えるご家庭では親がどこまでサポートするべきか悩みどころ。『AERA with Kids春号』(朝日新聞出版)では中学受験カウンセラーの安浪京子さんと、子ども4人が東大理IIIに合格したことで有名な佐藤亮子さんが対談。受験のための親の心構え、やるべきことについて話し合いました。

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安浪:今日は中学受験において親が何を、どれぐらいサポートすべきか、のテーマでお話していきたいと思っています。新たに塾生活をスタートさせて数カ月経ち、いろいろお悩みが発生しているご家庭も多いと思います。

佐藤:うちは4人とも中学受験を経験しましたけれど、今思い返すと12歳なんて本当にちっちゃかった。やはり高校受験、大学受験と違って中学受験のときは子どもがまだ幼いので、何かと親が横についてサポートしてあげないとダメですね。

安浪:佐藤家のように4人のお子さんが東大理IIIというすごい家でも「親のサポートが必要」と言い切られるのはすごく説得力がありますね。

佐藤:塾の先生は教えるのはプロかもしれないけれど、一人ひとりの面倒はみてくれない。やはりそこは親がやらないと。塾という魔法の箱に入れればポーンと賢い子が出てくるなんて思ってはダメです(笑)。

安浪:そうですね。塾はテストがあるし、宿題も出してくれるけど、ノートの書き方とかスケジュールの立て方は教えてくれないし、どこにつまづいているのかも教えてくれない。塾にそこまで求めちゃダメですね。

佐藤:そうです。たとえば、子どもが勉強をやりたがらなかったら、ただ「やりなさい」と言うだけでなく、なぜやりたくないのか、その理由を探るべきす。そうすると、たいていは「わからないからやりたくない」という事実につきあたります。それを見てあげられるのは親しかいないでしょう。

安浪:たいていの親は「やっていない」という事実だけを見て叱ってしまいますが。

佐藤:そうかもしれないですね。でもそこで叱ってもやらないでしょう。

安浪:むしろ「勉強=嫌なもの」という記憶が強化されてしまうという……。やはり子どもにとって勉強はめんどくさいことが多い、というのが気が向かない大きな原因ですね。

佐藤:そうそう。問題を解くのも図を書くのもめんどくさい。

安浪:全部めんどくさい(笑)。

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AERA編集部
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