確かに、ニンジンのβカロテンは抗酸化、ブドウに含まれるアントシアニンには視覚機能改善の作用がある。
「野菜や果物は、細胞壁を壊したほうが体に吸収されやすいので、細かく切り刻まれたジュースはおすすめです」
そうと聞けばがぜん、手作りしたくなった。グリーンスムージーの伝道師で、東京都世田谷区の「グリーンライフホリスティックアカデミー」主宰の山口蝶子さんに2種類のレシピを教えてもらった。半日断食でも、食事に置き換えも可能だ。
初心者でも飲みやすいのは、チンゲン菜のトロピカルスムージー。黄緑色のスムージーがミキサーから注がれると、まろやかな柑橘系の香りが広がった。飲むとびっくり。チンゲン菜が入っているのか疑うほど、甘くておいしい。
■葉物で複雑な味わい
栄養しっかりタイプは、パセリがメイン。パセリはミネラルが豊富だ。ハーブの香りが鼻をつくが、飲み進めると、バナナとリンゴの甘酸っぱさで、おいしく感じる。
「葉物野菜を使わずフルーツだけならおいしいだろうにと残念がる人もいますが、甘いだけだと飽きがきます。むしろ、葉物が入ると、複雑でおいしい味わいになります」(山口さん)
作るコツは食材の種類を入れすぎないことだという。
「葉物1種類、フルーツ2、3種類がおすすめ。おいしく作るのが続けるコツ」(同)
それなら簡単そう、と記者は3千円でミキサーを買って試した。山口さんに教えてもらったチンゲン菜のレシピに挑戦。個人的なヒットはオリジナルで作ったチンゲン菜×バナナ×レモン。調味料のレモン汁を代用したが、さわやかでおいしい。甘さ控えめで飲みやすい。今後も研究が必要だ。(ライター・井上有紀子)
●自宅でカンタン! グリーンスムージーの作り方
初心者向けの飲みやすいトロピカルグリーンスムージー
【材料】
チンゲン菜…1株
柑橘(ネーブル、清見、デコポンなど)…2個
パイナップル…1/2個(カットパイン…1パック)
バナナ…1本
水…100ml
柑橘類の皮と種は取らないと苦くなる。 この日使ったのはデコポン。1分ミキサーにかけたら完成。チンゲン菜に癖がないから果物を邪魔しない。
栄養価が高いパセリのグリーンスムージー
【材料】
パセリ…2本
リンゴ…1個
バナナ…1本
レモン…1/2個
水…150ml
パセリの茎は硬いので使わない。リンゴの種と皮は入れても気にならない。パセリの香りが高い。お好みでショウガやカルダモンパウダーを入れても。
※AERA 2021年4月26日号