萱野さんが行っているのは、「16時間ファスティング」。いたって簡単で、1日のうち16時間は何も食べず、食事は1日7、8時間の間に済ませる。空腹の間に体内では脂肪を燃やし、古くなった細胞が生まれ変わるという「オートファジー(自食作用)」効果を利用したものだ。
萱野さんが断食を始めたのは糖質制限に限界を感じたから。元々10年ほど前から、糖質制限をしていたという。
「糖質制限はすぐに体の水分が抜けて体重が減る。効果が出るのが嬉しく、『糖質制限信者』にもなりましたが、エネルギー切れになるんです。頭痛がすることもありました。炭水化物を食べないから、結構食べても満腹にならない。肉好きなことも手伝って、脂肪分の多いステーキを1日1キロ食べることもありました。体脂肪率は10%の壁を切らず、切ってもすぐに戻っていました」
■目覚めがよくなった
コロナ禍で昨春から大学の講義は全てオンラインになり、通っていたジムも休業に。
「家から出なくなって体重が増え、体脂肪率も数%増えました。これはどうにかしないと、と思いました」
昨年9月にファスティングを始めたところ、3カ月ほどで、体脂肪率が11%から8%に。何より楽だったという。
「ほとんど我慢しなくてよく、食べる時間だけ気にすればいいのが、自分に向いていました。糖質を取って満足感があるので、食欲を抑えられるようになりました。糖質不足による頭痛もほとんどなくなった。気を付けているのは、カロリーの取りすぎ。毎日、基礎代謝の1800キロカロリーより収支がマイナスになるよう考えています」
ファスティングを始めてから、割とぱっと目が覚めるようになった。内臓を休ませているからか、睡眠時間が多少短くなったという。自宅で仕事をした後、プロテインや焼き芋を食べて、ジムへ筋トレにも行く。
「食べる量が減って、ある時、ダンベルが上がらなくなったときがありました。筋肉、体力が落ちやすくなったと思います。軽い運動だけでもした方がいいです。私もジムに週2~5回くらいは行くようにしています」