子ども4人が東大理IIIに合格したことで有名な“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと、中学受験生の親に絶大な人気の“きょうこ先生”こと安浪京子さんが共著『親がやるべき受験サポート』を出した。親の心得とは──。AERA 2021年4月26日号で対談した。

(左から)佐藤亮子さん:大分県で高校まで過ごし、大学卒業後、高校の英語教師として2年間教壇に立つ。以降は専業主婦。子育て法や受験テクニックに注目が集まる/安浪京子さん:アートオブエデュケーション代表取締役。関西と関東で塾講師を経験後、プロ家庭教師として約20年算数を教える。メンタルサポートも人気(撮影/掛祥葉子)
(左から)佐藤亮子さん:大分県で高校まで過ごし、大学卒業後、高校の英語教師として2年間教壇に立つ。以降は専業主婦。子育て法や受験テクニックに注目が集まる/安浪京子さん:アートオブエデュケーション代表取締役。関西と関東で塾講師を経験後、プロ家庭教師として約20年算数を教える。メンタルサポートも人気(撮影/掛祥葉子)

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安浪:佐藤さんとお話ししていく中での共通点には、いかに子どもの目線まで下りていくかという話題もありましたよね。子どもはいろいろ面倒くさがるし、集中力だってない。そこを親が上から目線で「やりなさい」と言ったところで解決はしない。

佐藤:それは意識していました。長男を産んだ直後に何かで読んだんですけど、理解するって英語で「アンダースタンド」って言うじゃないですか。つまり、相手と同じ下方、つまりアンダーの位置でスタンド、立ってみないと理解できない、ってことです。だから2歳だったら2歳、10歳だったら10歳の立場に下りて接しよう、と。

安浪:私もそれは常に意識しています。必ず子どもの立場に下りていくから「勉強が嫌い」という子でも引き込めます。まずは子どもに受け入れてもらわないと聞く耳を持ってもらえないので。ただ、私がどんなに子どもの立場に下りていっても親が壊してくるご家庭もあって。親がアンダースタンドをわかっていない。

佐藤:それはあるあるですね。とくにキャリアウーマンのお母さんって子どもの受験もビジネスのように考えがちですよね。「これをこのぐらいやったらここまで到達できるでしょ」って。

安浪:そう。逆算して考えるんですよね。もちろん、復習テストに向けてスケジュールを作って勉強をしていく逆算は必要です。そうではなく、「この問題、2回やったのに何でできないの?」ってね。2回やってできないのは子どもの能力の問題なので仕方がない。あきらめて何回でも説明してあげるしかない。

佐藤:ビジネス的に考えちゃダメですよね。

安浪:スケジュールでも、佐藤さんのお子さんたちのように親が作ったものをしっかりこなせる子もいれば、こなせない子もいる。「この時間から勉強始めよう」といってもそもそも机の前に座れない子もいるし、親の言うことにことごとく反発する子もいる。まあ、子どもらしいといえば子どもらしいんですけれど。その場合は親がしっかり横についてあげないといけないから、やはり働くお母さんにはキツイところはありますね。

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AERA編集部
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