夫婦でよく話してストレスをため込まないことが産後うつの防止にも大事(写真/gettyimages)
夫婦でよく話してストレスをため込まないことが産後うつの防止にも大事(写真/gettyimages)

 女性の12人に1人が一生に一度は 発症すると言われるうつ病。特に、出産後の女性でその割合が高くなっています。アエラムック「AERA with Baby 解決!子育ての基本の悩み」では、産後うつからどう身を守ればいいか考えました。

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 元々、うつ病になりやすいと言われる女性。その割合は実に男性の2倍というデータもあるほどです。産褥期の女性は、睡眠が授乳などでぶつ切れになるため、まとまった睡眠がとれません。睡眠不足で心が不安定になりやすい上、妊娠や出産によるホルモンの変化は、脳のストレスに耐える抵抗力を低下させてしまうため、よりうつ病を発症しやすくなるのです。

 また、最近では父親のうつ病も見られるようになってきました。母親、父親ともに「良い親でなければ」という思いの強さが、時として、自分を苦しめる結果を招いてしまうのです。

 うつ傾向になりだすと、何事も悪く捉えがちになります。変だな?と感じた時に、参考になるのがイギリスで作られた「エジンバラ産後うつ病質問票」です。産後うつの問題は、日本だけのものではなく、世界中に見られます。

 この質問票では、直近7日間について「物事を楽しみにして待てた」や、「はっきりした理由もないのに、不安になったり、心配したりした」など、10項目の質問が並びます。答えを点数化することで、うつ症状があるかをスクリーニングすることができます。いつもよりもネガティブな発言が多くなりはじめたら、夫婦でこの質問票を使い、お互いを見つめ直してみてください。

 産後うつの予防には、ストレスをため込まないことが大切です。新しい命の存在は、時に親を不自由にします。特に母親は、24時間態勢で命を守ることを続けますから、緊張の糸を緩めることが難しく、自覚のないままストレスをため込むことも。また、育児や子育てに対する悩みもつきません。しかし、「完璧な育児」などというものはありませんから、自分たちらしい子育てができるよう、夫婦でストレスをためないような工夫ができたらいいですね。

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夜中に赤ちゃんが泣いても夫は寝ている