新入学や新学期の時期は、親子ともども不安を抱えやすい。新刊『神子育て』を上梓した星渉さんに、すぐにできる不安解消術を聞いた。AERA 2021年4月19日号の記事を紹介する。

星渉(ほし・わたる)/作家、講演家。2011年に起業。『神メンタル』『神トーーク』『99.9%は幸せの素人』(すべてKADOKAWA)は累計30万部を超えるベストセラー(写真:本人提供)
星渉(ほし・わたる)/作家、講演家。2011年に起業。『神メンタル』『神トーーク』『99.9%は幸せの素人』(すべてKADOKAWA)は累計30万部を超えるベストセラー(写真:本人提供)
AERA 2021年4月19日号より
AERA 2021年4月19日号より

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 私は今までおもに起業家の方に向けて多くの講座や勉強会を行ってきましたが、受講者の方からの「不安」に対する質問ってすごく多いんですね。

「会社を辞めて起業したけれど、これから一人で稼いでいけるかどうか不安」「新しい事業がうまく立ち上がるかどうか不安」などです。

 やはり、人間は新しい環境に移るときは不安を感じて当然なんです。

 それは、子育てにおいても同じです。お子さんが新入学、新学期になったときに不安を感じるのもごく自然なこと。「元気いっぱいの新1年生」というのは都合のいい理想像かもしれません。同じく、親御さんたちがこの時期に漠然とした不安を感じるのも、もっともです。お子さんが今までと違う環境で生きていくわけですから、もしかしたら子ども以上に不安を感じてしまうかもしれない。

 まずは大前提の話ですが、「不安」という感情は悪い感情ではありません。だから、「なくさなければならないもの」と考えて自分を追い込まなくていいんです。むしろ、無理に消そうとすると余計、増大してしまう可能性があるのです。

■脳は今のままを優先

 不安というのは、「脳からの警告」です。

 そもそも私たちが生きていく上で脳が最も大切にしていることは何だと思いますか?

 それは、「死なないこと」です。つまり、今あなたが「ちゃんと生きている」のであれば、脳は現状を維持しようとする。このような脳の「変化を止めようとする働き」のことを、「心理学的ホメオスタシス(心理学的恒常性)」といいます。

 つまり、脳が最優先にしているのは「今のあなたのままでいること」。ですから、あなたが新しいことを始めようとすると、脳は邪魔をしようとします。

「今の状態で生きていられるんだから何かを変える必要はないよ」「新しいこととか始めないでくれ」という感じですね。

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AERA編集部
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