■宇宙事業が救世主に

 津田さんは、ビジネスの本命はその延長線上にあると踏んでいる。宇宙空間を経由する弾道飛行が実用化すれば、地球上の2地点間の移動を飛躍的に短縮させる運航も可能になるからだ。地球上のどこでも数時間で行けるようになれば、高額の運賃設定でも一定のニーズが見込める。今後10年以内にサブオービタル旅行を本格化させ、その技術をベースに40年代までに「高速2地点間移動サービス」を開始したい考えだ。

 津田さんは言う。

「宇宙事業はいずれANAグループの救世主に化けるはずです」

(編集部・渡辺豪)

AERA 2021年4月19日号

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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