田中将大はオープン戦3試合に登板し、2勝1敗、防御率2.25。特に3月20日の巨人戦では7回を被安打3、1失点と順調な調整ぶりを見せた (c)朝日新聞社
田中将大はオープン戦3試合に登板し、2勝1敗、防御率2.25。特に3月20日の巨人戦では7回を被安打3、1失点と順調な調整ぶりを見せた (c)朝日新聞社
AERA 2021年4月19日号より
AERA 2021年4月19日号より

 今年のプロ野球は、大リーグから帰ってきた田中将大選手と球界を代表する打者たちとの対決が見逃せない。AERA 2021年4月19日号から。

【写真】田中将大投手が苦手だった意外な打者は?

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 今季最も注目を集めている選手は楽天・田中将大(32)だろう。

 2013年に前人未到の24勝0敗をマークして楽天を初のリーグ優勝、日本一に導いて以来、8年ぶりに日本球界に復帰した。ヤンキースで6年連続2桁勝利を挙げるなど、大リーグでは通算78勝(46敗)をマーク。以前のような勢いはないかもしれないが、経験値を積み、洞察力が磨かれた。脂が乗り切っている中でどんな投球を見せてくれるか。

 今季初先発が予定されていた3月27日の開幕2戦目・日本ハム戦(楽天生命パーク)は、右ふくらはぎ付近の軽い張りで登板を回避した。だが、自身のツイッターで「幸いにも怪我の程度は軽症です」と明かした。早ければ今週にも先発する。

 田中は復帰登板前までに日本野球機構(NPB)で通算175試合に登板し、99勝35敗、防御率2.30と圧巻の数字を残している。相手打者との対戦成績を見ても抑え込んでいる数字が目立つ。日本ハム・中田翔(31)は54打数10安打、打率1割8分5厘、1本塁打、ソフトバンク・松田宣浩(37)は70打数14安打、打率2割、1本塁打だ。

 一方で、苦手にしていた打者も存在する。当時・西武の浅村栄斗(30)に23打数10安打、打率4割3分5厘、0本塁打、当時・ロッテの鈴木大地(31)に16打数5安打、打率3割1分3厘、1本塁打と分が悪かった。ただ、2人は楽天でチームメートとなった。かつての難敵は味方として心強い存在になるだろう。

■苦手だった意外な打者

 実は浅村以上に田中が打ち込まれている打者がいる。日本ハム・中島卓也(30)だ。13打数6安打、打率4割6分2厘、0本塁打。意外に思った人も多いだろう。中島は昨季までのプロ12年間で通算打率2割4分、2本塁打、167打点。遊撃の守備に定評はあるが、打撃で目立った成績は残していない。ただ、厳しいコースをファウルでカットする技術にたけ、出塁率は低くない。投手は球数を費やすので神経を使う。現在は絶対的なレギュラーではないものの、田中の登板試合は相性の良さを買われてスタメンに抜擢(ばってき)される可能性は十分にある。

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