2. どんなことが起きても「ツイてる!」と思う

 以前、「反抗期の子どもをなんとかしたい」というお母様から相談を受けたことがありました。でも反抗期の何が嫌なのか、そのお母さん自身もわかっていなかったんです。反抗している子どもが悪いと思っているのか、反抗されることによって自分自身に価値がない、と思ってしまうからなのか。深層心理では、反抗されていることによって自分の自己評価が下がってしまうから終わってほしいのかもしれません。

「反抗期=自分が悪い」と思ってしまっている。だったら、極端な話、「子どもが反抗期でも自分自身は変わらない」と思っていれば幸福度は高い。その上で、「反抗期=悪」の思い込みを外します。「ツイてる!これで子どもの自立心もつく」など、あらゆる事柄に関してとりあえず「ツイてる!」と言ってしまうのはひとつのテクニックです。受験で失敗した、などもそう。「ツイてる!これで経験の幅が広がった!」などですね。従来型の正しさに縛られないことがイライラを手放すコツです。

3. 自分の機嫌と子どもの言動を切り離す

 最後に大切なのは、「自分自身が機嫌がいい状態になる」アイテムを持っておくこと。一人でカフェでお茶をするのでも、カラオケに行って歌うことでも、家事を外注して部屋をピカピカにしてもらうのでも何でもいいんです。親自身、とくにお母さんの機嫌がいいとそれが家族に伝染し、家族が幸せでいることができます。ですから「自分の機嫌がよくなるアイテム」に時間やお金を使うことはまったくの無駄ではありません。

 このときに重要なのは、自分の機嫌がよくなる対象を子どもの言動に求めないことです。「子どもが言うことを聞いてくれた」「子どものテストの点数がよかった」などですね。もちろん、子どもの言動に一喜一憂するのがダメ、と言っているのではありません。自分自身の機嫌を子どもの言動に左右されてはダメ、ということです。あくまで自分自身で機嫌をコントロールする方法を見るけることが大事。

※星渉さんの新刊『科学的にイライラ怒りを手放す神子育て』(朝日新聞出版)から