伊沢 オレ、完全に逆。正解できないことが好きなの。それは単純に、正解できないことの先に正解している自分がいるからで、知らないことを知るのがめっちゃ好きだから。一番好きなのは音楽だけど、音楽も基本的には知らない曲ばっかり聞くわけ。で、探ってみて「なるほどね」というのがおもしろい。最近は「オールマイティーのゴッド」とか「ノンジャンル」とかいわれて、ほかの人の得意分野で戦わされたりすることが多いから、知らないことに出合いまくってて、全部吸収することができるのがおもしろいなと。でも、知らないことを知ることって、最初の一歩がだるいのよ。この仕事をこれだけやってても、いまだに最初に参考書を開くのとかはだるい。でも、その一歩目を超えたら、おもしろい世界が広がってるんだよね。そうやって何度もジャンプを繰り返すことによって自分の体に覚え込ませて、知らないことに飛び込めるような感覚がある。

こう すげぇな。

伊沢 今、動画で水彩画を描いてるけど、水彩画入門の本をばーっと買って、読み直すのとかはめっちゃおもしろい。そんなの普通だったらやらないもん。

ふくら 自分では水彩画をやらなくても、水彩画にハマっている人が世の中にはいるんだから、絶対に魅力ってあるわけだからね。

伊沢 そう。社会人になって、本を買ったり知らないことを知ることにお金を使えるようになったのは本当にいいことだなと。

――知らないことに飛び込むことが、知識を広げたり、クイズに強くなったりすることにつながるんですね。

伊沢 小中高生って、その一歩目を超えるハードルが低い。特に好きなものに関してはね。オレ、昔「ボーボボ」(澤井啓夫によるギャグマンガ)のまとめノートをつくってたの。第32話はこんなことがあったとか、亀ラップの歌詞を書き写したりして、親にめちゃくちゃ怒られた。「もっとほかにやることがあるでしょう」って。

一同 (笑い)

伊沢 でも、子どもってそういう作業を「めんどくさいな」とは思わないんですよ。だから若いうちにそういうことをいっぱいやって、一歩目のハードルが低い状態で大人になれたらすごいお得だと思います。

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