宮城県が被災者の生活再建を支援する団体向けに実施してきた「みやぎ地域復興支援助成金」も、約5千万円の減額となるという。この助成金は、数年前から10年で終了することが採択団体に通知されていた。県民調査や県の中・長期政策に沿って継続を決めたものの、いつまで続くかはわからない。

 共同通信が咋年12月から今年1月、支援団体の連絡組織「東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)」を通じて行った調査では、東日本大震災と原発事故の被災者支援にあたる全国の民間団体のうち、4割近くが4月以降活動を終了するか、縮小する方針だったという。

 宮城大学の石田祐准教授(NPО論)はこう解説する。

「県内に拠点を置く団体に限れば、復興庁の予算が延長されることもあって、10年を境に急激になくなることはなさそうです。ただ、予算の減少を見越し、活動を終えたり、規模を縮小したりする団体も少なくありません。今月行った調査では、『(活動を)継続させたいが諸事情(資金難など)で困難』という団体も1割程度ありました」

 3月12日、「がんばろう!石巻」前で行われた追悼行事の片付け作業に赴いた。前日の混雑とは打って変わって、少人数の実行委員のほかは、ときおり手を合わせにくる人がいる程度。

 3月11日を過ぎると報道も一気に少なくなる。東京の知人と話していると、「終わった」感じが漂っている気がする。やむを得ない面もある。災害支援も永遠に続くものではなく、どこかで区切りをつけることは必要だろう。

 だが、10年は決して「ゴール」ではない。

「何も変わらないんだけどなぁ」

 石巻市中部に整備された防災集団移転団地で暮らす男性(82)は、震災で長女と孫(次女の娘)を亡くした。

「毎朝、仏壇にコーヒーとお線香あげて、写真に向かって声かけて。1日、1日の積み重ねが10年になった。早く娘のところに行きたいって気持ちは全国から来たボランティアさんらに会って変わったけっど、なぜ娘や孫がって気持ちは変わらないし、やっぱし私にとっては『節目』ではないかなぁ」

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