緊急事態宣言が出ている地域では、飲食店の閉店も早い。長々とお酒を飲むより、ノンアルで短く切り上げるという人が増えている影響もありそうだ。

「世界からお酒の不公平をなくす」をミッションに掲げているのは、ベンチャー企業「YOILABO」だ。創業者の播磨直希さんはお酒好き。一方で、飲めない・飲まない人との溝を感じていた。飲食店ではお酒のメニューは豊富なのに、ノンアルドリンクは烏龍茶、炭酸水、コーラ、オレンジジュースくらい。この不均衡をなんとかできないか? 調べてみると、食事に合うノンアルドリンクを作りペアリングするには専門的な知識が必要で、飲食店が自らやるには難しいことがわかった。

 それならプロがしっかりと作ったノンアルドリンクを飲食店に提供すればいい。播磨さんはお茶をベースに、独自ブレンドの「Pairing Tea」を飲食店用に開発。続いて、家庭用の「THE MID」も商品化した。

■ノンアルバーも登場

 いずれもペアリングを大前提として設計されている。

「コロナで飲食店は厳しい状況で、ウチもその影響を受けていますが、クラウドファンディングサービスを使って開発した家庭用は反響が大きかった。それだけ求められていたということ。お酒を飲まない選択肢はこれからもっと受け入れられていくと思います」(播磨さん)

 ある年代以上の人なら記憶にあるであろう「紅茶キノコ」。かつて一大ブームを巻き起こしたこの飲み物が「コンブチャ」と名前を変え、ファンを増やしている。現在、世界のコンブチャブルワリー数は1626カ所。25年には世界市場3677億円に成長すると予測されている。

 コンブチャはお茶に砂糖を加え、菌塊を入れて発酵させた飲み物。コンブチャを生産・販売する「大泉工場」広報担当の林健志さんが言う。

「発酵飲料なので整腸作用や免疫力向上が期待できる。それもあってか、18年に飲食店への販売を始めて以降、取扱先が50~60店舗のラインで上下していたのですが、コロナ禍の今、一気に70店舗になり、さらに数が増えそうな状況です」

次のページ