調査では、感染収束後の予想も調べていて、コロナ前と比べて家事時間が増加すると回答した女性は35.5%で、男性の12.5%と大きな差が表れた。一方、男性は育児時間が減少すると予想した人が15%と、女性の3.2%の5倍ほど多かった。

■家族時間増に不安も

 レポートを担当した村松容子・准主任研究員は言う。

「男女の家事や育児への意識の違いが表れている。在宅勤務の増加などで妻が家事育児時間を増やしているのを見て、『自分は減らしても大丈夫』と考える夫が意外に多い可能性もあります。家族との時間が増えることに不安を感じているのも女性でした。働き方や生活時間が変わっていく中で、家庭内の家事や育児の分担について、各家庭でいいバランスを見つけていくことが重要だと思います」

 AERAが継続的に報じてきた家庭内ジェンダー問題。「協力的」な男性が増えるだけでは解決しない。この問題が注目されている今こそ、社会で、家庭で、根本的に考える必要がある。(編集部・深澤友紀、フリーランス記者・宮本さおり)

AERA 2021年3月15日号より抜粋