震災が起きたのは、小学校1年生の時。家中のものが落ちてきて、雪が降って寒かったことを鮮明に覚えている。テレビでは、津波の映像が何度も流れた──。今も「3.11」が近づくとあの日を思い出す。多くの人がきっと同じはずだ。

 音楽祭では、大好きなリトグリと共演する。彼女たちの代表曲「明日へ」に思いを託した。

<こえるよ 現在(いま)を>

 この歌詞に、明日もがんばろうという思いを込めた。

「被災した方々に元気な力を与えたいです」(石橋さん)

■リモートのよさと希望

 高校生たちはすでに収録を終え、後は本番を待つばかり。リモートでの合唱や、マスクを着用して歌うことに戸惑ったりした。一方で、目の前でリトグリが歌っていると思いながら歌うことができたと楽しそうに話す生徒もいた。いったいどのような音楽祭になるのか。

 リトグリのmanakaさんは、リモートならではの音楽祭を楽しみたいと話す。

「大きな会場にたくさんの方が集まるのは困難だけど、リモートだとそれが実現できるのは私たちにとってすごく大きな希望です。リモートのよさをフルに使って頑張ります」

 かれんさんは、生徒たちにメッセージを送る。

「画面越しですが、生徒のみなさんと歌えるのが楽しみ。一緒にがんばりましょう!」

(編集部・野村昌二)

AERA 2021年3月8日号

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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