収録されているチャートは、Twitterで6万8千リツイートされたそうだ。他にも「温泉で大事なのは鮮度」「宿泊と食事を分ける」「イマイチな温泉は計画と工夫で避けられる」「温泉を優先するなら10部屋未満の小さな宿へ」など、指摘されれば確かに──と思う、温泉との付き合いかたが満載だ。

 そんな永井さんがとりわけ薦めるのが「足元湧出」温泉だ。その名の通り、湯船の底である板の間や岩盤の隙間から温泉が湧いているというもの! もちろん新鮮で「匂いも肌触りも段違い」だという。

「湯守りという言葉がありますが、良質な温泉を守っていく方は今、本当に大変だと思います。静かに温泉を楽しむひとり温泉を推奨していきたいです」

(ライター・矢内裕子)

■ブックファースト新宿店の渋谷孝さんオススメの一冊

『ごほうびごはん』は、コロナ禍でのささやかな楽しみの見つけ方を教えてくれる、心温まるコミック。ブックファースト新宿店の渋谷孝さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 東京の中央線沿線の会社に勤務するOLが、1週間頑張った自分を労(ねぎら)うために毎週末「ごほうび」として、ちょっとした贅沢や一風変わったご飯を食べる作品です。地方に住む主人公の家族や親戚、会社の同僚、アパートのお隣さんなども登場し、食べものを中心に物語が広がっていきます。

 この13巻では、現実世界と同じ形で新型ウイルスの脅威が日常に影を落とします。主人公たちがマスクをつけ、仕事はリモートワーク、行こうと思ったお店が臨時休業など、これまでの当たり前から新しい暮らしを模索しています。

 いろいろと変わってはしまったけど、美味しいご飯は変わりません。ささやかな「ごほうびごはん」を楽しむキャラクターたちが魅力的な作品です。この13巻では表紙のキャラクター2人がマスクをつけているのも斬新でした。巻数はありますがおススメです。

AERA 2021年3月1日号