——社会貢献にどんな思いを込めているのか。

冨永:サポートすることで、逆に、私がパワーをもらっているんです。ジョイセフでアフリカのタンザニアやザンビアへ行きました。貧しい国々ですし、出産時の死亡リスクも高い。それなのに、皆さんが慎ましくたくましく、素敵な笑顔で生きている。そんな彼女たちを見た時に、私も頑張ろうって思えましたし、「頑張らなきゃ!」と元気になります。

——今年8月で、30代最後の年を迎える。

冨永:私の周囲のみなさん、40代が一番美しいって言うんですよ(笑)。30代はあっという間に過ぎました。だから、40代もあっという間だろうと思います。そう思うと、やりたいことをやっておきたい。一日一日を大切に生きていきたいと、最近本当にそう思います。いつ死ぬかなんて誰もわからない。だから、生きているって素晴らしいとか、自分がモデルという職業に出合えて良かった、とより思うんです。

■努力するからこそ

——年齢を重ねてきて「美」に対する意識は変わったのだろうか。

冨永:受け入れることも大切だと思います。抗(あらが)うこともすごく大切です。努力するから、美しさが引き出されることがある。切った貼ったみたいな整形は、簡単にできるわけではないし、やりたくもない。そうすると、ある程度のシワは仕方がない。鏡を見てがっかりするのは絶対良くないから、加齢も良い方向に考えます。この化粧品を使ったら肌に艶が出てきた、とか。嫌なところばかり見ていたら暗くなってしまいますよ!

 人は絶対に年を取る。ありがたいことに、私の周りには美しい人生の先輩たちがたくさんいます。仕事を生き生きとしているし、明るくてすごく優しい。私もそうなりたい。だから、年を重ねることって悪くないなって思うんですよね。

(フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2021年3月1日号