「震災を経験した僕にとっては、やっぱりスケートは自分が好きなことでしかありません。(コロナ禍のなか)改めてスケートができるのは当たり前じゃないと痛感し、こうやって競技の場を設けてもらう罪悪感もあります。だから自分の演技が、1秒だけでも、皆さんの生きる活力になったらいいなと思いました」

 3月には世界選手権が予定されている。

「この試合が終わり次第、4回転半ジャンプのための体づくりをやっていきます。世の中の状況を見ながら、最大限の努力をしていきます」

【年表で振り返る羽生結弦ヒストリー】
1994年 12月7日 宮城県仙台市で生まれる
1999年 4歳でスケートを始める
2009年 ジュニア・グランプリファイナル、男子史上最年少の14歳で優勝
2010年 15歳、世界ジュニア選手権優勝
2011年 16歳、東日本大震災発生。アイスリンク仙台で練習中に被災し、リンクは営業休止に。自宅も被害を受け、4日間避難所で過ごした
2012年 18歳、全日本選手権で初優勝
2013年 19歳、全日本選手権連覇/初の五輪代表決定
2014年 19歳、ソチ五輪で日本男子フィギュア初の金メダル、世界選手権で初優勝
2017年 22歳、練習中に右足首を負傷
2018年 23歳、平昌五輪で2連覇/国民栄誉賞、個人最年少受賞
2020年 26歳、全日本選手権で、5年ぶり5度目の制覇

(スポーツライター・野口美恵)

※月刊ジュニアエラ 2021年3月号より

ジュニアエラ 2021年 03 月号 [雑誌]

ジュニアエラ 2021年 03 月号 [雑誌]
著者 開く閉じる
野口美恵
野口美恵

1 2