イラスト:土井ラブ平
イラスト:土井ラブ平

 いつものランチやおやつの食べ方が、仕事のパフォーマンスを低下させているかもしれない。どう食べれば理想なのか。AERA 2021年2月22日号では、管理栄養士の小島美和子さんが、実際の相談を受けた悩みから解決法を紹介する。

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CASE
オンライン営業や打ち合わせで忙しく、昼は合間に菓子パンやお菓子。休日は昼まで起きられない。

 最後のケースは、バリバリの営業職。リモートでも取引先とのアポイントに時間が左右されるため、食事は不規則だ。昼食をしっかりととる時間がない日も多く、コンビニで買った菓子パンと缶コーヒーなどで適当に済ませる。夕方以降におなかが空いてくると、お菓子でしのぐ。夜、遅い時間にラーメンを食べることもある。

 休日はどうしても早く起きられず、事情が許せば昼過ぎまで寝ていることもしばしば。パートナーや家族とのコミュニケーションも希薄になっているので、どうにかしたい……。

【小島さんのアドバイス】
■食事もスケジュールに

 仕事での無理は体に累積し、いつか大きな不調を引き起こすかもしれません。まずは「食事も仕事の一つ」ととらえて、アポイントと同様に、昼食を食べる時間を必ずスケジュールに組み込んでみてください。仕事ができる人なら、やれるはずです。

 どうしても時間がない日にコンビニなどで買う場合、菓子パンでなくおにぎりとゆで卵など「炭水化物+たんぱく質」の組み合わせを選んで。菓子パンはおにぎりと同じ炭水化物ではありますが、食物繊維も少なく、栄養面にも不安があります。

 仕事が長引くとわかっている日には、夕方用にお菓子でなく、やはりおにぎりを一つ用意しましょう。海苔で巻かれたものであれば、血糖値を落ち着かせる食物繊維もとれます。つまみ食いのお菓子は血糖値を乱高下させるため、体がだるくなり、仕事の効率も下がります。その結果、仕事が終わる時間も遅くなってしまいます。

 早めに仕事を終え、早く寝て、翌朝しっかり朝食を食べて仕事に臨むようにすれば、徐々にリズムも整っていくでしょう。週末、土曜日は少し多めに寝ていても、日曜日には早く起きられるようになりますし、月曜以降のことも考えて日曜日は早起きすることをすすめます。

(フードジャーナリスト・浅野陽子、編集部・中島晶子)

AERA 2021年2月22日号より抜粋