そしてここで問題になるのが、「腹なか」のどこまでが大トロでどこからが中トロなのかということですが、実は明確な定義はありません。取扱業者やお店が、長年の経験とノウハウで区分しているのが実情です。

 そしてもうひとつ、皮からどこまでをトロと呼ぶかですが、こちらについても明確な定義はないようです。

 くら寿司では、皮から4センチのものを中トロとして仕入れて販売しているんですが、一般的には、皮から7センチ程度までを中トロとよんでいることが多いようです。

 ですから、くら寿司の中トロは、一般的な中トロより、脂身の割合がかなり多いということになります。脂が乗った中トロが好みの方は、ぜひくら寿司の「中トロ」をお召し上がりください。

 その他にも、「かま」や「脳天」などの希少部位もありますが、1匹から取れる量が非常に少ないため、くら寿司のような全国チェーンではほとんど扱っていません。

 最後にお知らせです。2019年4月に始まったこの連載が、『お魚とお寿司のナイショ話』(税込み990円)として書籍化され、2月19日に発売されることになりました。

 全国の書店やネット書店のほか、全国のくら寿司のお店でも販売する予定です。

 ご家庭や職場、学校などでのちょっとしたコミュニケーションのきっかけになるネタが満載ですので、ぜひお手に取っていただければありがたいです。

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長

AERAオンライン限定記事

著者プロフィールを見る
岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

岡本浩之の記事一覧はこちら