■スパイスで気分アップ
火曜は市販の焼きそばをレンチンした「サバトマトまるでパスタ」、水曜は流水タイプのそうめんかうどんをベトナムのフォー風にアレンジした「ジャパニーズ手間なしフォー」。
木曜は、最近のインスタグラムで11万件も投稿されているトレンド料理「わんぱくサンド」をカフェ風に。陶芸家の大沼道行さんの妻がSNSで発表したサンドイッチ「沼サン」が元祖で、それが進化したものが「わんぱくサンド」だという。具が多いので、朝仕込むと昼以降はパンと具がなじみ、食べやすい。金曜は焼き鳥缶を汁ごと利用した、「しみじみ簡単すぎる親子丼」だ。
加藤さんは、各レシピに盛り付けられたパセリ、シソなどのトッピングにこだわった。
「自炊では省略されがちですが、入れなくてもよさそうなものを入れるのが“食事らしさ”なんです。栄養補給だけの食事はつまらないものです。添え物に工夫することで気分転換にもなり、栄養面も期待できます」
トッピングと同様、気分転換に大きな役割を果たしてくれるのが、スパイスなどの香りだ。
「気分転換や仕事のやる気を出して効率アップさせるには、スパイスが有効です。グレープフルーツもおすすめ。皮をむくのが面倒なら果汁100%ジュースの香りを楽しみつつ飲みましょう」
最後に、今回紹介したレシピの弱点を。炭水化物やたんぱく質はとれるが、熱で壊れるビタミン類の十分な摂取が難しい。そこを補うのが果物だ。
厚生労働省の国民健康・栄養調査(19年度)によると、子供や高齢者は果物の摂取量が多いのに対し、20~40代の成人男性は特に果物を食べていないという。イチゴ、バナナ、みかん、ぶどうなどの包丁を使わず簡単に食べられる果物は、気分転換や仕事の効率アップにも役立つ。
最強レシピ+スパイス+果物。在宅メシはこれで完璧だ。(フードジャーナリスト・浅野陽子、編集部・中島晶子)