■お昼にざるそばはダメ

(3)昼食は脂質もOK、バランスよくガッツリと

 昼食のベストは「主食+主菜+副菜」の定食スタイルをガッツリ。1日の中で最も代謝が良く、体温が高い時間に食べるので、栄養素も有効活用されて体調がさらによくなる。夕方まで活動できる余力も作り出せる。

 ただ、テレワーク中、自宅にいながら定食を完璧に準備するのはキツい……。

「定食という概念をもう少し広げて、主菜(おかず)の具材がたっぷり入った一品料理を簡単に作るのはいかがでしょう」

 野菜と肉がしっかり入った丼もの、野菜とキノコたっぷりのミートソーススパゲティなどでOK。それでもめんどくさい? いいえ、大丈夫。上に掲載した月~金曜のランチメニューはどれも5分以内で作れて気分が上がるレシピばかり。詳細は記事の後半でご紹介しよう。

 逆に避けたいのは、具の少ないラーメンやざるそば、ペペロンチーノなど、炭水化物一辺倒な食事だ。一気に血糖値が上がり、午後の眠気やだるさにつながる。たんぱく質や微量栄養素もとれていないので、午後に無性に甘いおやつを食べたくなる「副作用」も出やすい。

(4)食事の間隔は7時間以内、夕食が遅いなら「おやつ」

 そのおやつ。テレワーク中はつい手が伸びてしまいがちだが、体内時計を意識しながら食べれば問題ないという。間食に最適なのは午後2~3時。「BMAL1(ビーマルワン)」という脂肪細胞の値が1日の中でもっとも下がる時間帯だからだ。

 小島さんは、昼食と夕食の間を7時間以内にすることを勧める。それが難しいときは、おやつで「つなぐ」のが重要。おすすめは食物繊維が豊富な栗、干し芋、ナッツ、ドライフルーツなどだが、基本的には好きなものを食べていい。ただし「満足したら食べるのをやめる」のがポイントだ。

(5)夕食は午後8時までに、低脂肪の肉や魚と食物繊維

 夜8時以降は時間栄養学の観点からも血糖値が上がりやすく、脂肪も合成されやすくなる。また夕飯が遅くなると、体内時計も後ろ倒しになっていく。夕食はこの時間をできるだけ守って早めに食べよう。おかずは脂質少なめの肉(鶏ムネ肉、牛や豚の赤身)、魚(タラやアジ)と野菜をメインに。食物繊維が豊富なもずく、めかぶ、大豆なども1品プラスする。(フードジャーナリスト・浅野陽子、編集部・中島晶子)

AERA 2021年2月22日号より抜粋