トップ営業マンから転身。コロンビアの生カカオの魅力にとりつかれたカカオディレクター・石原紳伍が作る生チョコ<現代の肖像> (1/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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トップ営業マンから転身。コロンビアの生カカオの魅力にとりつかれたカカオディレクター・石原紳伍が作る生チョコ<現代の肖像>

中村千晶AERA
趣味のサーフィンが湘南との縁を結んだ。いまも月に4、5回は波に乗る(撮影/慎芝賢)

趣味のサーフィンが湘南との縁を結んだ。いまも月に4、5回は波に乗る(撮影/慎芝賢)

コロンビアでの石原の心強いパートナーの一人、ワゴ・ロハス・ヒロシと。石原とはトライアスロン仲間でもある。ワゴが個人的に一番好きなのは徳島産のフレッシュな柚子を使った生チョコレート「YUZU」だ(撮影/慎芝賢)

コロンビアでの石原の心強いパートナーの一人、ワゴ・ロハス・ヒロシと。石原とはトライアスロン仲間でもある。ワゴが個人的に一番好きなのは徳島産のフレッシュな柚子を使った生チョコレート「YUZU」だ(撮影/慎芝賢)

味の決め手となるコロンビア産カカオ100%のクーベルチュール。もともと3種類しかなかったものを現地で自ら配合し、40種類のバリエーションを生み出した(撮影/慎芝賢)

味の決め手となるコロンビア産カカオ100%のクーベルチュール。もともと3種類しかなかったものを現地で自ら配合し、40種類のバリエーションを生み出した(撮影/慎芝賢)

「MAISON CACAO(メゾン・カカオ)」創設者、石原紳伍。ここ数年で急速に人気が高まっているチョコレートが、石原紳伍の作る「MAISON CACAO」の生チョコレートだ。元ラガーマンで、トップ営業マン。甘い物とは縁遠かったが、コロンビアを旅行したときに出会ったカカオが、人生を変えた。今はコロンビア産にこだわる。クオリティはもちろん、カカオ作りが盛んになれば、コロンビアの治安も安定する。味だけではないこだわりが込められる。

【写真】コロンビアでの石原の心強いパートナーの一人、ワゴ・ロハス・ヒロシ氏と

*  *  *
 まずやってくるのは、みずみずしいマスカットの香りだ。ビターなカカオの風味に続いて舌につるり、ひんやりとした感覚が訪れ、なめらかに溶けていく。濃厚なのにフレッシュ。チョコレートなのに、まるで果物のようだ。さらに洋酒のような余韻が残る。一体、これはなに?

 石原紳伍(いしはらしんご)(36)が2015年に創立したアロマ生チョコレートブランド「MAISON CACAO(メゾン・カカオ)」は、とにかく驚きに満ちている。冒頭のチョコレートは看板商品の「MAISON/マスカット」。小箱に詰められた直径1.5センチ角のキューブは、一見ごく普通の生チョコレートと変わらない。が、口に含むと想像を超える。

「山梨県の自社農園で収穫したシャインマスカットの果汁と、カリフォルニアのシャルドネワインをブレンドしてあります」
 と、生みの親である石原は目を細めて、心から嬉しそうに笑う。

 新作「HERO/グリーンレモン」の試作を見せてもらった。宮崎産グリーンレモンの皮をすりおろし、果汁を搾る。次にチョコレートの“素”であり、味の決め手となる自社製クーベルチュールを湯煎で溶かす。コロンビア産100%のカカオからできるこのクーベルチュールを、石原は現地で自ら40種類も作っている。香料など入れずともカカオ豆の発酵具合や配合の違いで、それぞれ口溶けも味も、香りが立ち上るタイミングも変わる。

 40種のなかから最適なマッチングを選び、生クリームと果汁、レモンの皮を混ぜていく。通常の生チョコレートより1.5倍も多い水分をカカオの油分と分離しないように混ぜる技で、未体験の口溶けとジューシーさを編み出した。


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