新宿東口エリアを歩いてみると、賑やかなのはPCR検査スポットだけ。ほかはシャッター街となっている通りも多い。新宿モア街でも、「LABI 新宿東口館」が20年10月に閉店したほか、JR新宿駅東口を出た目の前にある、串に刺したカットフルーツが名物だった果物店も8月から休業。落書きだらけのシャッターを下ろしたままだ。

「新宿は当初、感染源のように言われてしまった歌舞伎町のイメージが大きい。どこの街も大変でしょうが、なかでも新宿はコロナによるダメージが大きいと感じています」(濱中さん)

 もう一つ、百貨店の低迷という背景を指摘する声もある。日本百貨店協会のまとめによると、コロナ禍で全国百貨店の20年の売上高は前年比25.7%減の4兆2204億円と、45年ぶりの低水準に。ただし、百貨店の売上高の減少は、コロナの、ずっと前から始まっていたものだ。

■百貨店の街の未来

「アパレルフロアを見渡しても、各百貨店それぞれの特徴がどんどん薄れているからね」

 ファッションデザイナーのドン小西さんはそう分析する。ちなみに同氏があのド派手なファッションの買い物に行くのは、意外にも伊勢丹新宿店が多いとか。

「百貨店は色やサイズが豊富。ただし、売れ残りは仕入れ先に返品するなど、昔ながらの日本の百貨店取引の風習が根強く、資金力のない若いメーカーが入りにくい。外国人観光客はともかく、どこでも買えるなら、わざわざ百貨店に行かないでしょ」

 売上高日本一を誇る伊勢丹新宿店など、百貨店の街新宿の未来は明るくない。2月いっぱいで火が消える新宿の誇りに、R.I.P.。(ライター・福光恵)

AERA 2021年2月15日号