——20代を経て、グッと色気と大人の魅力を増している。もうすぐ32歳。心境の変化はあったのだろうか。

岩田:30代になっていろんなことに対して肩の力が抜けたな、と思います。20代のときはがむしゃらに、とにかく目の前のことを一生懸命に「やらなきゃ、やらなきゃ」と、追われるような気持ちが強かったんです。それが30代になって、ある程度自分で自分のまわりのことをコントロールできるようになりました。

 それから、「カッコつけないカッコよさを知った」とも思います。いろんなものが削ぎ落とされたというか。着るものもこの数年で変わりました。すごくシンプルになっちゃったけど、それでいいかな、と思えるようになりました。

——昨年からのコロナ禍ではさらに、自分にとって何が大事なのかを考えたという。

岩田:最初はやっぱり心が折れそうになりましたよ。自宅でリモート仕事ばっかりになって、「もう無理! 終わったな、オレ!」って(笑)。でも気持ちを切り替えて、絵を描いたり、語学をやったり、映画を観たりして“自己投資”しました。振り返れば自分の将来や人生を見つめ直す、いい時間がたくさん持てたと思います。

(フリーランス記者・中村千晶)

AERA 2021年2月8日号