■僕らを知ってほしい

——NHK紅白歌合戦にも出場を果たし、YOASOBIとして大きな成功を手にした今も、Ayaseとikuraはそれぞれの自分自身の音楽表現とユニットとしての活動を並行して進めていくつもりだという。

Ayase:自分として掲げている目標もあるし、YOASOBIから吸収して自分の活動に持って帰りたいこともたくさんある。そういう感覚でやっています。

ikura:私も、幾田りらというシンガー・ソングライターとして叶えたい夢とYOASOBIのボーカルのikuraとしてやっていきたいことが枝分かれしているような感覚です。私にとってYOASOBIは一人ではできなかった経験をたくさんさせてもらった「留学」みたいなものなんです。

——1月6日、初のCD作品となるEP「THE BOOK」をリリース。同日にTVアニメ「BEASTARS」オープニングテーマの新曲「怪物」を発表した。21年は、さらなる活躍が待っているはずだ。

Ayase:もちろん、去年以上に飛躍して駆け上がっていくぞという気持ちはあります。20年は「夜に駆ける」に手を引っ張ってもらった年だったと思うので、紅白に出たと言っても、今はまだ僕らのことまでは知ってもらえていない。僕らがどういう考えを持ってYOASOBIをやっているかも含めて、Ayaseもikuraも、そしてYOASOBIというこのユニットのことも、もっと知ってほしい。そのためにどう見せていくかということを今は考えています。

(ライター・柴那典)

AERA 2021年2月8日号