混乱の飲食業界から逃げ出す動きを支援するサービスも始まった。転職の支援サービスを提供するHeaR(ひあうコール本社・東京都)は昨年12月、飲食業から他の職種に転職するためのサービスをスタートさせた。

 厚生労働省によると、新型コロナの影響で解雇や雇い止めにあった飲食業界の労働者は見込みも含めて1万人を超えた。同社がこの事業を始めたのは、代表取締役CEOの大上諒さん(27)が、コロナ禍によって飲食業界での雇用情勢が厳しくなっていることを身近に感じる機会があったからだ。

「業界全体が厳しい状況に直面していることから、業界内の転職が難しいと考えました。異業種への転職もハードルは高いですが、多くの人が飲食業界から出ざるを得ないと予想されることから、彼らに役立つことができないかと考えました」

 サービスの費用は約30万円からと安くはないが、3カ月程度のトレーニング期間を通じて支援に取り組む。「利用者も増えている」(大上さん)という。

※【飲食店だけ「悪者扱い」は正しい対策なのか? 専門家「『急所』とまで言う根拠ない」と疑問符】へ続く

(編集部・小田健司)

AERA 2021年1月25日号より抜粋